曇りや雨の日が続いた、今年の夏。
サンセットを望める日は、例年よりも少なかったように思います。

だからこそ、雲間から少しだけのぞく夕陽や、淡く染まる夕空に出会えた日は、いつにも増して美しく、より特別なものに感じられました。

先日の、少し涼しい曇りの日。
今シーズン初めて、お客様に温かな一杯をご用意しました。

ほんの少し前まで、冷たいグラスが並んでいたキッチン前のテラスに、
久しぶりに置かれた、ホットカップ。

それだけのことなのですが、
そのカップには、いつもとは少し違う、ゆっくりと進む季節の気配がありました。

季節の境目は、カレンダーほどはっきりしていなくて、
何気なく選んだものや、いつもと少しだけ違う過ごし方の中に、ひっそりと現れます。

冷たさと温かさが、同じ季節の中に自然と並ぶ頃。
陽射しのある日も、雲の下で少しやわらいだ風を感じる日も。

どちらかに決めなくてもいいこの季節には、その日、その時間に心地よいものを選ぶ楽しさがあります。

次に訪れる季節を急がずに、
もう少しだけ、この時期ならではの時間を愉しみたいと思います。

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